あなたは先輩や上司が外から帰ってきたとき、どんな言葉をかけているだろうか?
ときどき耳にするのが「ご苦労さま」という言葉である。
先輩や上司が外回りの仕事で疲れて会社に戻ってくれば、「ご苦労さまでした」と言いたい気持ちになる。
しかし、「ご苦労さま」は「苦労をかけたな」と下の人の労をねぎらう言葉で、目下の人に使う言葉である。
下から言われても気にしない人もいるが、気分を害する先輩や上司が多い。
また気分を害さないまでも、「言葉づかいを知らないな」と思われる。
先輩や上司に対しては、「ご苦労さま」ではなく「お疲れさまでした」というのが正しい言葉づかいである。
同じような意味で、たとえば下請業者の方が納品に来たようなときも、「ご苦労さま」とは言わない方がよい。
納品に来た年配の業者の人の中には、若い社員から「ご苦労さま」と言われて、あまりよい気持ちのしない人もいる。
この場合は、「お疲れさまでした」「お世話さまでした」「ありがとうございました」といった言葉を使えばよいのである。
ただし、あまりに意識し過ぎてぎこちなくならないようにしたい。
要は「ご苦労さまでした」「ご苦労をおかけいたしました」「わざわざありがとうございました」「お世話をおかけいたしました」など、状況に応じて言い方を工夫することが大切なのである。
大橋直久(ビジネスコンサルタント)