中国原産の落葉低木で、細い枝が株立ち状に出て高さは約1m、低いほうが味がある。
3月下旬から4月にかけて繭芽を始め、中旬ごろまでに葉を広げる。
そのころに、前年枝の葉腋に新葉といっしよに淡紅または白色一重の小花をびっしりとつけ、4月いっぱいは美しい。
果実は7月中旬ごろに紅熟して、後に紫黒色になり、鳥が喜んで食べる。
葉は秋に紅葉するものもある。
萌芽力は強いが、なよなよした枝に風情があるので、切りもどし剪定はしないで、こみすぎた枝を元から抜くほうがよい。
地下茎が伸びてひごばえを出すので株は横へ広がっていく。
ニワザクラはニワウメの変種で、4月中旬に前年枝の葉腋に八重の淡紅または白色花を咲かせるが、実はならない。
枝の太さに比べて花がちょっと重たげであり、前種よりにぎやかな感じがする。
枝は柔らかくてよく伸びるので、自由に曲げて細工物を仕立てることもできるが、庭木としては邪道であろう。
10月中旬から落葉を始め、11月中旬までに落ちてしまう。
手入れはニワウメと同じでよいが、枝がよく伸びるのでほうっておくと大株になりすぎる。
大橋直久(ビジネスコンサルタント)