5月のミドリ摘みと、11~12月のもみあげがたいせつな作業になります。
若いマツや樹勢の強いクロマツなどは、枝の伸長がよいために、葉が落ちたあとの枝は小枝が少なく節間が間のびした状態になり、樹形を整えようとしても小枝が少ないために手のほどこしようがなくなります。
マツ類は広葉樹類と違って、葉のない古枝の途中で切ると新芽の発生がみられずに枯れてしまいます。
マツの切り戻し勢定は、かならず葉のついている新しい枝だけにおこなうように心がけます。
いちばん簡単に枝いっぱいに葉をつけようとするには、春からのびる新芽がのびきった時期5月上中旬頃に、新芽の先を半分から3分のー
摘みとれば、葉がのびるにしたがって、その先端に来年のための腋芽が2~3個でき、毎年この作業をつづけていくと、こんもりと葉がつく形ができ、これをミドリ摘みと呼んでいます。
ミドリ摘みは、このあとに葉が開いたあとで7月上旬までならば、来年のための芽ができ、これ以後の勢定では芽の発生がみられずに、翌年の春以後つまり1年近くたって芽ができることになり、木造りはそれだけ遅くなります。
そのほかに、前年の葉が枯れて見苦しくなる11~12月にかけて、その古葉を指先でもむように取り除いてきれいにします。
これをもみあげといい、正月を迎えるにふさわしい作業です。
大橋直久(ビジネスコンサルタント)